どのような内科的治療や外科的治療を行っても、治すことができない末期の心不全患者に対して、脳死のドナー(提供者)からいただいた心臓を移植する手術です。
この手術によって、患者の命を助けるとともに、QOL(生活の質)を改善します。
心臓移植の適応疾患は、拡張型心筋症及び拡張相肥大型心筋症、虚血性心筋疾患、その他日本循環器学会及び日本小児循環器学会の心臓移植適応検討会で承認された疾患です。
心臓移植者希望者は(社)日本臓器移植ネットワークに登録します。現在心臓移植施設として認定されている病院は、大阪大学、国立循環器病センター(共に大阪府吹田市)、東京女子医科大学(東京都新宿区)の3施設です。
国内の心臓移植には、拡張型心筋症及び拡張相肥大型心筋症の疾患のみ高度先進医療が適用され、ほぼ3分の1の負担で移植手術を受けることができます。(約400〜500万円)
ただ現行法では、15歳未満の臓器提供が出来ないために、小さな子どもが国内で心臓移植を受けられる望みは殆どありません。
最近では、心臓移植までのつなぎとして人工心臓が開発されています。
人工心臓には体外型と埋め込み型があります。
埋め込み式の人工心臓は、制限はありますが退院もでき一般の方に近い生活を送ることができます。
今までは国産の体外型のみ健康保険が適用されていましたが、今年度より埋め込み型の人工心臓(ノバコア)にも健康保険が適用されるようになりました。
今後は、15歳未満での提供を可能にし、小さな子どもたちも日本国内で移植を受けられるようにすることと、全ての心疾患に対する心臓移植の医療保険の適用と、待機者のQOLを高めるための人工心臓の医療保険の適用が早急に必要です。
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